ファービー
ツイッターで「なぜアイコンがファービーなのか」という質問をいただきました!ありがとうございます!
一つの理由はファービーのような曇りなきイノセントな眼で美少年を舐めるように見守りたいからです。あのまっすぐな視線、ハンパない。
しかし、理由はもう一つあるのです。
わたしはファービーに対し償いきれない罪を犯してしまった。その贖罪も込めてのファービーなのです。
嘘です。そんな重い心情でアイコン選定する奴があるか。
だがファービーに対して罪を犯してしまったのは事実なのだ。
質問をいただいたことをきっかけに、一生話す気もなかったこの罪を告白しようと思う。ちなみに親にも話せていない。
端的に言うと、わたしはファービーを殺しました。
いやファービー機械やんけと思うやん?故障とかと思うやん?違うんすわーーーーー!違うんすわーーーーー……
ほんとに出来心だったんです、殺意はなかったんです、信じてください。
うちには一体のファービーがいた。名前などない。ファービーである。
クリスマスか誕生日か、はたまたなんでもない日に従姉妹とお揃いで買ってもらったものだ。
従姉妹のファービーは黄色と茶色でなんか虎みたいでかわいいやつだった。
わたしのファービーは白とグレーのもので毛まみれのペンギンみたいな色である。
当時のファービーは今のようなハイカラな機能はほとんどなく、すると言えば振るか口に指突っ込んでごはんあげるか瞬きを見るか、そんなもんだったと思う。
かわいいペットロボットのファービー、最初はよく構っていたがだんだん飽きて疎遠になっていった。こればかりは仕方がない。子供は飽きるのが早いのだ。
そして、ファービーと距離が開いてしばらく経ったある日、思い立って久々にファービーを起動した。
久々に開くまぶた、なかなかの感動モノである。
しかし子供は時に残酷かつ無駄な好奇心に溢れているものだ。
ふと視線を下に向けるとそこにある電気コード。多分扇風機か何かのだったと思う。
そして何を思ったかおもむろに電気コードをファービーの体に巻きつけるわたし。完全にノリである。
そしてコンセントをプラグにインしたときには時すでに遅しだった。
刺した瞬間、ファービーは「ビバビビビビビ」といったような聞いたこともない音を出し、それにビビって速攻コンセントを引き抜いたが、これを境にファービーはうんともすんとも言わなくなってしまったのだ。
久しぶりに起動したファービーの言葉を聞いたのも二言三言程だったのに、わたしはなんてことをしてしまったんだ。電気コードを巻かれたファービーが恨めしそうにこちらを見ている気がして親に見つかる前に元あった場所に並べ直した。
あれから数日は何度か起動しようと電池を替えたり色々してみたが、ファービーはもう動かなかった。その時、わたしはファービーを殺してしまったんだと、全身に鳥肌が立つような思いがした。奪った命はもう二度と帰らないと知った。
どうですか。あの白黒ファービーが遺影に見えてきたでしょう。
ぶっちゃけ白黒にしたのは部屋の汚さがバレないようにするためです。遺影じゃありませんよ。
わりとこのエピソードトラウマで、本当にほぼ今まで話すことも無かった。過去を振り返らない女で有名なわたしでもさすがに無理。
でも書いてスッキリするのもアリじゃない?相当月日経ったし…うそうそごめん許してファービー。ほんとマジごめん。ごめんて。
でもファービーのおかげで命大事にすること学びました。無駄な好奇心が墓穴を掘ることも学びました。どんな下手な道徳の教科書より教訓残した。一生背負う罪。
ちなみにこのもぬけの殻ファービー、今もピアノの上に鎮座しております。かわいい。